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長原 實の「みのる塾」  [第4話]

それで時間が経って、第一次オイルショック、皆さんが生まれる前ですね、多分。1974年くらいだったでしょうか。
この中で僕の次に年長者というと工藤さんか、本田さんですか。1974年ころというと、どなたか生まれていました? あー生まれてはいるんですね、まだ物心がついていないというか、そうですね。
第1次オイルショックというのがあって、石油が一気に2倍になったんです。これは、OPEC(オペック)という産油国の連合が出来たのがきっかけなんですが、石油の値段が一気に2倍になって、日本も大混乱に陥りました。
この話をすると長くなるからやめますが。そういう時代がありました。その3年後に第2次オイルショックというのがあって、また倍になった。たった5年ぐらいの間に石油の値段が4倍になったんです。

その期間を通じて何が起こったかというと、モノ余り現象がぼちぼち出て来たんです。
なぜかというと、日本の製造業がどんどん力を付けて来ていましたね。大量生産が可能になったし、産業が大きく発展しました、力を付けたんです。
ということでモノの供給が増えました。一方では、団塊の世代、ご存知の通り昭和21、22、23年くらいに生まれた人、つまり終戦直後に生まれた人たちの塊があるんですね。
日本の人口のピラミッドを見ますと、この世代が一番膨らんでいるのがお分かりでしょう。この団塊の世代がいま、60歳代に入って来ているわけですが、その団塊世代の人たちの結婚適齢期なんですよ。それが、やや終わりかけていたということです。

その当時の家具のマーケットは、圧倒的にブライダルマーケットが大きかったんです。嫁入り道具です。
みんなそれを狙って家具を作っていた、と言ってもいいくらい。旭川も7割くらいはその類のモノを作っていたんです。だから、その時代は非常に良かったんですよ。
しかし、そのブライダルマーケットに明らかに陰りが見えて来たということ。そしてモノが大量に供給される、加えてモノの値段が一挙に上がりました。石油につられて他のモノもどんどんインフレになったんです。
したがって、それだけの給料が一挙には上がりませんから、消費者の買い控えが始まったんです。

これはちょっとヤバイぞ、という思いもあって、インテリアセンターもどんどん伸びていましたからね、このまま行くとちょっとヤバイなと感じた。
そこで、海外市場を開拓しなくてはいけない、ということから私は、私一人じゃないんですが、私が提唱したかも知れませんが、アメリカ市場開拓をやろうというわけで、サンフランシスコの国際家具見本市に出品したんです。
その時代は旭川でタンスを作っていた人たちも、市場に陰りが出ていますから何とかしなければいけないという思いもありまして、同志、仲間みたいな人が5、6人でサンフランシスコの家具展に出品しました。

そうすると、あるバイヤーが来ましてね、私がこの「HOCK」の看板を掲げてモノを並べていますと、忠告をしてくれたんですね。
この「HOCK」という言葉は、アメリカではあまり良い言葉ではないと言うんです。
それはなぜかというと、ホックはファックという言葉に非常に近いということが一つ。そしてHOCKという綴りは、アメリカ開拓時代に開拓者に高利で金を貸して儲けた商売の意味があると言うんです、これは多分ユダヤ系じゃないかと思うんですが、その高利の金貸し業がHOCKだと言うんです。
「だからこれはイメージが悪いよ」と忠告してくれたんですね。彼がこういう例を挙げていましたよ。日本のドリンクで、「カルピス」というのがあるが、アメリカで売り出して失敗したと言うんです。
なぜ失敗したか。彼が言うには、「カルピス」という言葉はアメリカの南部では「牛のオシッコ」なんだそうですよ。ちょっと発音が違うけどね。だから、それは売れないよって言うんです。だから、HOCKもだめだって。

アメリカの30代くらいの若い青年でしたが、そういうことを教えてくれたんです。彼も、家具を少し買ってくれたんですが、「この名前じゃ売れないよ」って言うんですよ。
そういうことがあって、ああそうかと思いました。私は、インテリアセンターを創業するときから、「北海道の木材で、北海道の技術で、家具を作って世界で売ろう」という理念を持っていました。
そういう理念を持ったというのは、もちろんそれなりの理由があるわけで、これも時間があれば後で説明しますけども、とにかく純粋に北海道産の家具を世界で売ろうという理念を持ってスタートしていますから、アメリカに売り込みに行ったというのも、その一つの道筋なんですね。
やがてヨーロッパでも売ろうと思っているんですよ。

ところが、いきなり「HOCK」という名前でつまづいた。
これじゃいかんということから、私の友人がたまたまアメリカに留学していまして、彼に相談して、世界にはいろんな言葉がある、それらの様々な言葉の中で、また悪いイメージのある言葉を使うことになってはいけないから、アメリカの専門家に頼もうということになりました。
ニューヨークで仕事をしているコピーライターとグラフィックデザイナー、そして建築家、これは大学の先生をしていた日本人なんですが、この3人のチームに、我々のロゴマークを作ってくれとお願いしたんです。
約半年かけて出て来たのが、この「CONDE HOUSE」というロゴです。
 
長原 實「みのる塾」5話へ続く
 
 
 
 
 
 
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