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長原 實の「みのる塾」  [第2話]

そうした中で大きな問題として気付いたことがあります。
その時代、昭和40年、41年、42年頃、旭川の産業、特に家具産業というのは、モノは作るんです。ほどほどのモノは作るんですね。
この時代はタンスが圧倒的に多かったんです。家具といっても、タンスを作る人、あるいは●●系のものを作る人が圧倒的に多くてですね、しかも流通は地元の問屋さんに売ることだけが仕事なんです。その代わり、作ったモノはだいたい問屋さんが買い取ってくれるんです。
値段はもちろん交渉がいろいろあったんだと思いますが、自分で作ったモノは問屋さんが買い取ってくれる。
まだ終戦から20年くらいです、まだまだ需要が豊富でした。つまり売り手市場の時代です。作れば問屋が買ってくれた。問屋は、とにかく小売はしない、卸売り専門なんですね。主に全道の家具屋さんとか、デパートに卸していたという時代です。
で、旭川特有の約束事がありましてね、「三権分立」という大げさな名前ですが、製造者は作ることに専念しなさい、製造者はモノを売っちゃいけないということです。
卸売業者は、もちろん作っちゃいけないし、小売もしちゃいけない、卸すことだけが仕事だと。
そり代わり、旭川で作ったモノは全部買い取りなさい、という約束事があった。そして小売業者というのは、問屋から仕入れて小売をする。という製造商業的な権利というのをそれぞれ分立した約束事があったんですね。
それを称して木工振興協力会という名前が付いていましたけれども、そうしたルールが非常に堅く出来ていました。

みのる塾 私が家具工場を回っていて分かったことは、とにかく製造者は問屋さんに全く頭が上がらないんですよ。
その代わり、作ったモノはほとんど買い上げてくれますから、それはそれでメリットなんですけれども。まぁ問屋さんに、いわば支配されているというか、そういう傾向です。
だから、何を作るかということも問屋さんに相談して、お前アレ作れ、コレ作れってなことを言ってですね。その中では、デザイン力というのはあまり育たない仕組みになっていました。と言うのは、問屋さんがアレ作れ、コレ作れと言ってくるものは何かというと、本州のどこかで作っているモノのカタログかなんかです。
だいたいはカタログとか、写真があって、お前コレ作れ、アレ作れと指図されるんですよ。それは必ず本州よりも安く作らされるという実態ですね。
それからまた、金融面でも問屋さんに面倒を見てもらう例が随分あって、比較的中堅の会社は、もちろん銀行取引をしていましたけれども、まぁ従業員が数人の小さな規模の会社は銀行の取引がないんです。
結局、お金も問屋頼りというか。まぁ、極端なことを言えば、明日の飲み代がほしくて、問屋さんに行って金を借りてくる、それはつまり青田刈りをするんです。来週、これだけのモノを納めるから先に金をくれという。
そりゃあ立場が有利になるわけがないんですね。そんな非常に古い体制の時代です。

私は、こんなやり方をしていたんでは、とても浮かばれない、個人的には役人としてはとてもやって行けない、将来も。それから、この業界の中にのめり込んでしまっては立つ瀬がないということから、自分でやろうと考えたんです。
自分でやろうと言っても資金がないですから、小さな工房のような、コツコツ1人で始めて、そのうち2人3人と徐々に増やして行こうと。
世の中は売り手市場ですから、作ればなんとか売ることはできるんですね。そういういい時代ではありました。
そんなことで、私はボツボツ独立を考えていたんです。で、周辺の人に相談したりしていましたら、幸いに周りの人の中で、お前がやるなら金を出すよと言う人が4、5人か、5、6人か、現れたんですね、有難いことに、私がお金がないことは皆知っていましたから、オレは100万出す、オレは50万出す、という人が出て来てくれまして、周りの人たちで400万くらいお金を用意してくれたんです。 今のお金に換算すれば、4000万円くらいだと思います。
私に仕事をやらせてくれるというわけですから、私が手ぶらで始めるわけにはいきません。幸いに私は兄弟が多いものですから、昔の農家と言うのは兄弟が多かったですね、8人9人兄弟なんてざらにいたんですよ。
私の兄弟も7人いましたから、その兄弟のところを走り回って、とにかく100万円集めてですね、皆さんが出してくれた400万と私の100万、500万で会社をつくったというのがインテリアセンターなんです。
 
長原 實「みのる塾」3話へ続く
 
 
 
 
 
 
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