「デザイナーとプロダクト」STEPSまでの軌跡

今回は、アーティスト・伊賀信さんとの協働によって生まれてきたアイテムをご紹介します。
架空の空間にあった幾何学的な形が、木の温かみとともに具現化した――アーティストと共に生まれた、暮らしの道具や贈りものです。
日常の空間に置くと、造形の存在感が静かなギャップを生み、空間全体に心地よい高揚感をもたらします。
10月27日には、木の無垢材に緻密な階段状の彫刻を施したプロダクトシリーズ「STEPS」を発売。ブローチ、オーナメント、モビール、フォトフレームのラインナップで展開します。

（2025年10月24日現在）

アーティスト伊賀信 makoto iga

北海道札幌市を拠点に活躍するアーティスト。
木や紙・アクリルなどを素材として、綿密に構築したパーツを組み合わせた幾何学的な作品を制作している。
それら建築的な構造物は、抽象的な形状でありながら、ときに、都市のジオラマのようにも見え、またミクロな世界の結晶のようにも見える。
近年は展示空間全体に広がるインスタレーションなど、スケールの大きなアートワークへも展開。新たな表現へと挑戦を続けている。
「幾何学的抽象芸術実験室＝G.A.A.L」主宰。

伊賀さんアート作品

「コサインとの出会いは2020年秋、星社長からのデザイン依頼でした。」

2021年発売のcoa（コア）シリーズが、伊賀さんとの初めてのコサイン製品です。
「coa（コア）製作のきっかけは、レリーフのデザインを依頼されたことでした。打ち合わせを重ねる中で、家具デザインへの強い思いをお話したところ、今回のお話をいただきました。当初は家具デザイナーではない私でいいのかと少し戸惑いましたが、『アーティストがデザインすることで、これまでにない家具が生まれることを期待している』という理由をお聞きして、ぜひ共に製作させていただきたいと思い、このプロジェクトがスタートしました。」

１/５試作模型画像

「それはデザイン以前の『物としての姿』。
その姿をプロダクトとして出現させる事は意味があると思います。
椅子の構成要素を一番少なくした時に見える姿を描き、椅子として成り立つ最小の機能を持たせる。」

「それは『椅子』という名の彫刻なのかもしれません。彫刻と道具の境界線は曖昧でよいと思います。
生き方や暮らし方を広げてくれます。気持ち良く暮らせるモノを身の周りに置いてください。」

coaの特徴

「家具の突端や角に約５センチφの見えない球の存在があります。
その球が水平垂直に移動し家具の形状に空間を埋めて行くと現れてくる形。丸みを帯びた表面は滑らか、全体はしっとりと艶消し。座や天板の裏面はフラット。家具が一つの塊であることをイメージしています。」

座面や天板の裏面までフラットにするなど、目につかない細部にまでのこだわりが、「造形の存在感」に繋がっています。原点を探り、「シンプルな美」を追求するアーティスト伊賀さんの哲学に基づき、本質的な「物としての姿」のデザインをコサインで具現化しました。原点を探り、「シンプルな美」を追求する伊賀信氏の哲学に基づき、本質的な「物としての姿」のデザインを具現化しました。