木取り、加工、仕上げ~それぞれの工程を経て、製品はかたちになっていきます。
そのものづくりは、多くの判断の積み重ねによって成り立っています。
そのすべての流れに関わりながら、どこまでを良しとするか。どうすればよりよくなるか。品質やコスト、時間のバランスも見ながら、その一つひとつを見極めていく。
そうして全体を整えていくのが、工房の責任者の仕事です。

工房の責任者 (製造事業部 部長) に聞きました。
(2026年4月現在)

取締役 製造事業部 部長
志田 淳吉
2006年入社 旭川市出身
旭川工業高校卒業後、札幌の専門学校でプロダクトデザインを学ぶ。卒業後は同校で教員補助として勤務。その後、家具づくりへの関心と、旭川が家具産地であることから就職を考え、コサインへ入社。自社製品のデザインやものづくりの考え方に惹かれたことがきっかけ。
「スケートボードやスノーボードなど、横ノリの遊びが好き。最近は雪上で楽しむスノースケートにもはまっています。釣りや料理も趣味で、燻製や煮込みなどを作ることも。素材の状態を見極めたり、工程を組み立てたりするところに、家具づくりと通じる感覚があります。」


工房の責任者の役割
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工房全体を整える役割 製造事業部 部長として、工房全体の製造を見ています。 生産管理、資材や原材料の調達、品質管理、新製品の開発などが主な業務ですね。 生産管理は重要な部分です。どのタイミングで何を作るか、どういったスケジュールで進めるか。日々の進捗だけでなく、先を見据えつつ、現場の状況や人の動きも含めて、全体を調整していく感覚ですね。 原材料については、半年後や一年後に使う木材を見越して、きちんと確保できるかを考えています。必要な樹種や寸法のものが揃うかどうか、仕入れ先の状況も見ながら調整していきます。 品質についても、現場のそれぞれが判断しながら進めていますが、最終的に製品としてどう仕上げるか、その判断を担う場面も多いです。 新製品については商品開発室と一緒に進めていますが、実際に形にしていく段階では、これまでの経験をもとに考えることが多いです。やってみないと見えない部分もありますが、積み重ねがあるからこそ、ある程度の見通しを持って判断しています。 また、製品名や作業内容については、できるだけ曖昧な言い方をせず、共通の言葉でやり取りすることも大切にしています。言葉の捉え方にずれがあると、ちょっとした行き違いがミスや手戻りにつながってしまうので、指示する側としても意識して整えていくようにしています。 |


ものづくりの考え方
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「共に」幸せになるものづくり コサインとしては「共に幸せになるものづくり」という理念がありますが、その「共に」は、もう少し広く捉えています。 木や仲間、使ってくれるお客様だけでなく、材料の仕入れ先や機械屋さん、協力会社さんなど、ものづくりを支えてくれている人たちも含めての「共に」です。 工房の中だけで完結しているわけではないので、関わっているすべての人たちとのつながりを大切にすることが、結果的にいいものづくりにつながっていくと思っています。 限られた人数の中で最大限の力を出すためにも、そういった関係性はとても重要ですね。誠実なものづくり、というところも大事にしています。 |


判断の仕事
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どこまでを良しとするか 工程ごとに気にするポイントはそれぞれ違います。木取りであれば材料の質や歩留まり、加工であれば精度や仕上がり、仕上げであれば研磨の状態、といったように。 ただ、最終的に見ているのは、その製品が目指す品質にきちんと仕上がっているかどうか、という点です。 品質にはどうしてもばらつきがありますし、全員がまったく同じ判断をしているわけではありません。ただ、自分たちはその違いを細かく見分けることができます。その中での許容範囲を共有している、という感覚ですね。 一般の方が感じる違いの幅に対して、自分たちはより細かい範囲で見ています。 たとえば、1R(半径1mmの丸み)の面取りを1.5Rで指定した場合でも、仕上げの段階でその印象が崩れないように整えていきます。2Rに見えてしまわない範囲に収める、といった感覚ですね。 そのばらつきをどこまで許容するのか、どこまで詰めるのか。時間やコストとのバランスも含めて、どこに落としどころを持っていくかを判断していきます。 その基準は一律に決められるものではなく、これまでの経験の積み重ねの中で、少しずつ形づくられていくものだと思っています。 |

品質と時間
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そのあいだでの判断 品質を追いかけていくと、どうしても時間やコストはかかってしまいます。そのバランスをどう取るかも、日々の判断の一つです。ただ、商品としてお届けする以上、そのバランスは常に考えないといけません。 どこまで手をかけるか、どこで判断するか。毎回同じではなく、その時々の状況を見ながら決めています。難しいところではありますが、そのバランスを取ることも、この仕事の大事な役割だと思っています。 その中で、「コサインらしさ」も一つの要素としてあって、単なる精度や仕上がりだけではなく、使ったときの印象や佇まいも含めて品質の一部だと捉えています。 また、自社でどこまでを担うか、何を外部にお願いするかを見極めることも重要です。すべてを自社で抱えるのではなく、それぞれの得意分野を持つ協力先と連携することで、全体としての質を高めていく考え方です。 やることは増えていきやすい一方で、あえてやらないと決める判断も同じくらい重要だと考えています。 |

やりがい・大変さ
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積み重ねの中にある手応え 大きな達成感というよりは、日々の中で出てくる課題を一つひとつ解決していくことが、やりがいに近いです。 計画通りに進めることや、想定外に対応することなど、細かい積み重ねの中で仕事が成り立っています。大きなトラブルがなく、安定して回っている状態そのものが、一つの成果でもあると思います。 一方で、ミスやトラブルが起きないように常に気を配っているので、気は抜けません。何も起きないことが一番いい状態なので、そこは難しさでもあります。 現場にはある程度の緊張感は必要だと思っていますが、張りつめすぎず、緩みすぎず、一定の張力を保っている状態が理想です。 ものの仕上げで言えば、直線は直線、曲線は曲線としてきちんと出ているような、そんなバランスに近い感覚かもしれません。 あまり多くを言葉にする方ではありませんが、現場の中でいいと思ったことや、感謝の気持ちはできるだけ伝えるようにしています。 |
お客様へ
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ものづくりの背景もふくめて 木という素材の魅力とあわせて、多くの人の手を経て製品ができていることを感じてもらえたらと思います。 旭川という産地の中で培われてきた横のつながりもあり、さまざまな技術や会社と関わりながら、一つの製品が成り立っています。そうした背景も含めて伝わっていくとうれしいです。 |


