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長原 實 みのる塾

[みのる塾]第17回

そこで、デザインと企業理念、業態開発というところに来るんです。この業態開発というのも、極めてデザインスピリッツが必要なんですね。先ほど申し上げましたように、自己の思いを社会性の中でどう生かすか、ということです。つまり、自分の好きな仕事を社会の中で活かせるかどうか、だと思います。もちろん芸術家なんかはその通りですし、どんな仕事でも、自分の好きな仕事を社会のためにどう活かすか、会社を興すにしてもそうです。三方得という、これは商売の鉄則ですね。改めて言うまでもないと思いますが、大阪の人にこういう話をさせると、そりゃあもう、落語にもたくさん出てきますけども、やっぱり三方、あるいは四方、全ての人が得をするようなビジネスじゃないとだめだと思うんですよ。そういうことも、構想するということ自体が、私はデザインの分野だと思っています。

 デザイン的な能力を持った人は、こういうことが出来る。三方得というのは、社会とか社員とか、会社とか、社会と言うのは地域社会…、世界から見れば日本自体が地域社会なんですね。グローバルの時代では、日本も地域社会、北海道も旭川も地域社会です。その地域のためになるのか、社員のためになるのか、会社のためになるのか。社会のためになるかどうかというのは、人のためになるかどうかということに通じますから。そういう意味で、この三方得というのが事業を興す時のポイントでしょうね。少なくとも、自分の儲けのため、自分の利益のためだけで仕事を興しても、だいたい失敗するでしょう。これは、インドのマハトマ・ガンジーも言っていますね。7つの大罪ということを言ってまして、その中に出て来るんですね。道徳なき商業はだめだと言っています。自分だけ儲けようという商業はあり得ないということです。三方得というのは、どんな業態でも重要なことだと思います。

 「商品開発」に入ります。どんな仕事、どんな商売であっても、商品開発とか、業態開発というのは付き物です。何代目の経営者でも、その時代の業態にしなければいけませんね。さっき言ったように、必要がなくなったモノにいつまでもしがみ付いてもダメなんです。だから、ちょっと先を見る。10年先を見るか、3年先か、1年先か、それは業種によるでしょう。その先を見る目、それもまたデザインなんです。社会を見る目、ということです。モノのデザインの場合は、まず市場性が大事ですから、市場性をクリアし、販売方法、それから価格設定、これは価格戦略とも言えますが、そういうことを色々、何て言うか、洞察するということ。何よりも大事なのは人の真似をしないということです。

 今、日本の社会では、モノというのは相当のレベルで満たされています。成熟している社会ですから、中々そりゃあ新しいモノを創り出すというのは難しいことですよ。それでも、隙間ってのはあるんですね。住宅なんかもそうだと思います。新築住宅は全国的にも数はそれほど増えない、というのは分かりますが、しかし、今度の大震災がありましたから、これは別の要素なんですが。しかし、それでも中小の建築業者も生きて行く道はあるんですね。一方では、大手の住宅メーカーが全国的に展開するモノもあります。その中で、地域の中小の業者が、そこでちゃんと生きて行くということは何か独自性を持っているからですね。自分の隙間を見つけている、ということだと思うんです。自分の生きる場所を見つけている、と言うか。それは、やはりデザインであったり、工法、技術的なものであったり、あるいは、それらを含めてコスト的な面であったりとか、色々な要素があると思いますが、その中に市場を持っているから、それが成り立つという世界だろうと思います。ここにもやはり、新しいモノを作るとか、新しいビジネスモデルを作るとか、人のやっていないことを構想する、ということは社会に対して何らかのイメージを持つと言うことですね。これもデザインです。デザインスピリッツから出てくるものだと思います。

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