「コサインのものづくり」 加工 2


「加工」とは

切る・削る・穴を開けるといった専用の機械や、特殊な形の刃物、そして職人が製作する「治具」(機械作業を補助する道具)を組み合わせて、製品の具体的な形に加工していく工程です。0.1mm 単位で調整を行い、材料や木目を見ながら、加工の方向やスピードを調節します。

その中でも、CNC(コンピュータ数値制御)ルーターと言われる機械は、プログラムを作成して読み込ませることで加工を行います。材料や形によって加工スピードを調整したり、刃物の減り具合を計算に入れたりと、プログラムを組むには木工の知識と経験が必要です。

「コサイン木工用語辞典」

テーブル移動横切り丸のこ盤

(工房内呼称 /横切り)

刃物から右手のテーブルは前後にスライド移動します。木材をテーブルの上に置き、テーブルごと刃物に移動させ切断します。テーブルの手前側に付いている定規に合わせることで、ミリ単位での切断が可能です。

CNCルーター

(工房内呼称 /NC)

コンピュータ制御で高精度に切削・彫刻ができる機械です。デジタルデータをもとに刃物の動きを制御することで、曲線や複雑な形状も正確に再現できます。
手作業では難しい微細な模様や立体的な加工も短時間で行え、同じ加工を繰り返し行うことができるため、量産にも非常に効率的です。


「加工」の係長 木村と後輩板橋に聞きました。

(2024年7月現在)

木村 創徳

2005年入社 
札幌市出身
おといねっぷ美術工芸高等学校卒業。車、バイク、おしゃれなものかっこいいものが好き。

板橋 柚輝

2023年入社 
札幌市出身
おといねっぷ美術工芸高等学校卒業。「若い世代にももっとコサインを知ってほしい。」趣味はゲーム。

「中学生の頃からものづくりが好きで、高校では絵画と木工を学び、何が自分に向いているのか真面目に探して考えていた時期でした。新聞でコサインのドレスラックの記事を見て『こんな製品があるんだ!』と思っていたら、学校にコサインの求人が来て、すぐに応募しました。巡り合わせですね。」

「高校生の頃札幌へ帰省したときに、偶然コサインこっぱっぱ大賞の展示を見て、材料を大切にする考えに共感しました。そこから興味を持ち製品を見てみると、高1の頃作品制作の参考にしたものがコサイン製品だったと分かり驚きました。職場体験を希望してコサイン以外は考えませんでした。」

手加工技術や段取りなどの知識があってこそのNC加工。

【木村】 コンピュータ数値制御で材料を削ったり穴あけなど、さまざまな加工を行うCNC(コンピュータ数値制御)という機械(以下「NC」)に、考えたプログラムをセットして材料を加工をします。
自動工具交換機能も備えており、コンピューター制御であると言っても、他の機械と同様にあくまでも道具であり、手加工技術や段取りなどの知識を習得した上で、それらをNCにどう反映させていくかが求められます。
【木村】 木は自然素材なので、木目が混んでいて逆目が出てしまったり(木の繊維がささくれて毛羽立つ状態になる)など、材料や刃物によって加工結果が変わってきます。機械を使ったからといって、同じセッティングでも全て同じように加工できるわけではありません。木目の入り方など材料の状態を読むことが大切です。 結果的には全て同じような状態で次の工程へ流したいので、「加工」としてここまではという部分は手加工で修正することもあります。

たくさんの考える要素があるNCの治具づくり

【木村】
NCでは、基本的にバキュームの吸引力で材料を吸着固定したことを前提に、切削や穴あけといった作業を行います。
しかし、実際には材料が小さい場合や樹種によっては空気が抜けてしまい、うまく吸着できないことがあります。
その場合、治具を使って確実に固定する方法を考えなければなりません。
加工内容と吸着方法を考慮し、位置・形・高さ深さなどに加えて、刃物が機械にぶつからないように注意するなど、NCの治具づくりには多くの要素を考慮する必要があります。

※「治具」とは・・・ 参照 「コサインのものづくり」 加工 1

やりがいは、新しい方法を探す&アイディアが実践されること

【木村】 製品を今までよりもより良い形で加工する方法、効率の良い方法を探すことがやりがいです
【板橋】 新しい道具使ったり。
【木村】 そう、新しい道具を導入したりとか。これをしたらこんなことができるのではないかなと思ったら、実際に取り入れてみたりしています。
 
【板橋】いいですよね今の会社の流れが。なにか新しくしていこうって感じで。
【木村】 板橋君から、たまに意見やアイディアとかあったら、それいいねそうしようっていう場合もある。
【板橋】 それを今やりがいとして言おうとしていました。自分のアイディアがいいねってなったり、足りてないところまでプラスして実践してもらえるのが、やりがいです。やっぱりそれが実際に活かされていくのを見ると嬉しく感じます。

若い人に家具の良さを知ってもらいたいなと思っています。

【板橋】 家具に興味がある若者が周りに少ないので、同年代とか若い人に家具の良さを知ってもらいたいなと思っています。もちろん作る側も手に取ってもらえるように頑張るところですけど。コサイン直営店に来ていただけたなら、小物も置いてありますし、ちょっと楽しんでいただけるかもしれません。

仕事の相棒七つ道具 

課長 木村

1.ノギス 2.のみ 3.3色ボールペン 4.カッター 5.定規
6.スコヤ 7.メジャー

「のみはもともと社長が使っていたものだったかと・・・。気が付けば15年使っています。治具を作るときや機械加工で落としきれなかった部分を取るときに欠かせません。」

板橋

1.軍手 2.マスキングテープ 3.メジャー 4.鉛筆 
5.カッター 6.ノギス 7.スニーカー 

「軍手は薄めのものを切って使っています。加工した部材が予定通りのサイズにしっかりできているかを測るノギス
はいちばん使っていますね。」


,

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA